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印刷業の営業が変わる!AI活用で提案力を高める方法

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印刷業の営業が変わる!AI活用で提案力を高める方法

こんにちは!太成二葉産業の広報販促室です。

営業や顧客対応の現場で「もっとスムーズに提案できたら」と感じることはありませんか。

近ごろ注目されているのが、見積作成や入稿チェック、需要予測を支えるAI活用です。

ただ、導入すればすぐに成果が出るわけではなく、現場との相性や運用設計が鍵になります。

この記事では、印刷業の営業・CSが実務でAIを活かすための考え方と手順を、わかりやすく整理してお伝えします。


 



1. 見積・入稿での支援

営業やCSの業務では、「AIが実務をどう支えるか」を意識することが欠かせません。

特に見積や入稿のような初期工程では、スピードと正確さの両立が求められます。

AIは担当者の判断を置き換えるものではなく、確認や補助の仕組みとして機能するのが現実的です。


中小企業では、見積フォーマットやデータ仕様が統一されていないことが多く、

そのままではAIの精度が出にくい状況もあります。

そこで、まずはテンプレート化やルール整備を進めることが重要になります。

導入を焦らず、手作業とAIのすみ分けを設計することが、安定運用への近道です。



1-1. 見積根拠のテンプレ化


AIで見積の自動提案を行うには、根拠データを整えることが最初のステップです。

過去案件の履歴や原価情報を整理し、パターンをテンプレートとして登録しておくことで、

AIが見積根拠を提示しやすくなります。


属人化した経験値をデータ化すれば、新人やサポート担当でも一定品質の見積対応が可能です。

精度を高めるには、修正履歴や差額データもフィードバックし、学習を継続させる仕組みが欠かせません。

無理にすべてを自動化するより、AIを「提案補助」として使うほうが、安定して成果を得られます。



1-2. 入稿チェックの自動化


AIによる入稿チェックは、人の目では見落としやすいデータ不備の検知に強みがあります。

フォントの欠落やカラープロファイルの違いなど、過去のエラー傾向を学習させることで、

トラブルの事前回避につながります。


ただし、照明条件や設備環境の違いで判定が変わることもあり、完全自動化は難しい部分です。

初期は「自動チェック+人の最終確認」を組み合わせ、

徐々にAIが拾う精度を高めていく運用が現実的です。

手間を減らしつつ品質を守る仕組みとして、導入効果が出やすい領域といえます。



2. 需要予測と在庫最適化

印刷需要は変動が大きく、特に販促や季節要因で動きが読みにくい傾向があります。

AIの導入によって、需要の波を読む仕組みを社内に持つことが可能になります。

ただし、完全に未来を当てるものではなく、傾向を見える化するツールと捉えるのが適切です。


中小企業ではデータが十分に蓄積されていない場合もあります。

まずは主要商品の受注履歴やキャンペーン時の発注量から始め、

少しずつモデルを育てる形が現実的です。

予測を現場判断と組み合わせることで、在庫やスケジュールの精度を上げられます。



2-1. 季節性・企画カレンダー


AIは過去の販売データと季節イベントの関係を学習し、

今後の需要を推定することが得意です。

例えば春の展示会や夏のセール時期に合わせて、印刷数量の変動を予測できます。


印刷会社の営業では、顧客の販促カレンダーと連動した提案が求められるため、

この分析結果を「提案根拠」として活用できます。

AIが示す数値をそのまま信じるのではなく、

現場感覚を加えて調整することで、信頼性の高い予測が生まれます。



2-2. 小ロットの生産計画


近年は短納期や小ロット案件の比率が高まっています。

AIを使うと、過去の稼働データや材料使用率をもとに、

最適なスケジュールを算出できます。


この仕組みを導入することで、機械稼働のムダや在庫ロスを減らせます。

一方で、現場オペレーションが複雑すぎると、AIの判断が安定しないこともあります。

段階的に運用範囲を広げ、現場が納得できる精度を目指すことがポイントです。



3. 顧客体験を磨く

営業やCSの現場では、AIを通じて「人がやるべき仕事」に集中できる環境を作ることが重要です。

質問対応や資料送付などの定型業務をAIに任せることで、

顧客との対話や提案の時間を増やすことができます。


ただし、AIは感情の細やかさや場の空気を読むことが得意ではありません。

そのため、あくまで人の判断を助ける道具として活用する考え方が欠かせません。

信頼を育む営業活動の中にAIを自然に組み込むことが、最も効果的です。



3-1. チャット応対とナレッジ


AIチャットは、FAQやマニュアル情報を活用して顧客対応を効率化できます。

同時に、社内のナレッジデータを整理することで、

誰でも一定レベルの回答ができる環境を整えられます。


特に新人教育や問い合わせ対応の属人化解消に有効です。

ただ、情報の鮮度が落ちると誤回答のリスクがあるため、

定期的な更新とモニタリングが欠かせません。

人とAIが共に学ぶ仕組みを維持することが、安定稼働の鍵となります。



3-2. パーソナライズ提案


AIは顧客履歴や過去注文データを分析し、興味を持ちそうな提案内容を示すことができます。

営業担当者が手作業で行っていた分析を自動で可視化し、

顧客に合わせた提案をサポートします。


印刷業では、キャンペーン周期や販促ジャンルごとの提案型営業に役立ちます。

一方で、データ量が少ない企業では精度が安定しづらく、

人の経験値と合わせて使うのが現実的です。

提案の幅を広げるきっかけとして活用すると効果的です。



4. 運用ガイドライン

AIを業務で活用する際は、技術よりも「どう運用するか」が成果を左右します。

目的を曖昧にしたまま導入しても、現場に定着しません。

人とAIの役割分担を明確にするルールを定めることが大切です。


中小企業では、まず試験運用から始めて成果を見える化し、

成功事例を少しずつ広げる進め方が有効です。

運用を日常業務に組み込むことが、AI活用の第一歩になります。



4-1. 個人情報と権利配慮


AIを導入する際は、個人情報や著作権の扱いに細心の注意が必要です。

特に生成AIを使う場合、学習データに含まれる内容が

どこまで商用利用可能かを確認しなければなりません。


顧客データを扱う際は、利用目的を社内で明示し、

アクセス権限を限定しておくことが安全です。

信頼される情報管理体制を整えることが、取引先からの信用にもつながります。



4-2. 継続改善と効果測定


AIの導入効果を継続して得るためには、定期的な見直しが欠かせません。

KPI(重要指標)を設定し、応答速度や見積精度などを定量的に追うことで、

改善点を具体的に把握できます。


成果を数値化することで、社内の理解も得やすくなります。

初期段階では「部分導入+効果検証」の繰り返しが最適です。

AIを育てる視点を持つことが、長期的な成功を支える基盤になります。



5. AI営業のこれから

営業やCSにおけるAI導入は、まだ成熟していません。

ですが、人とAIの協働が当たり前になる流れは確実に進んでいます。


自動化ではなく、提案や判断の「補助」を意識した導入が、

現場の信頼を得る近道です。

データの蓄積と現場の知恵がそろって初めて、AIは価値を発揮します。


これからの営業には、AIを使いこなす柔軟さと、

顧客の声を感じ取る人の力が両方求められます。

その両輪を整えることが、印刷業の未来を切り開く鍵となります。



6. よくある質問と回答

Q1. 中小の印刷会社でもAIを導入するメリットはありますか?

はい、あります。AIの導入は大企業だけの話ではありません

特に見積作成や入稿データ確認のように「判断の基準が明確な業務」では、

中小規模でもすぐに効果を実感しやすい分野です。


営業やCSの時間を奪う単純作業をAIが引き受けることで、

提案や顧客対応など人の強みを活かす仕事に集中できます。

最初から高額なシステムを導入せず、クラウド型の小規模運用から始めるのが現実的です。


Q2. AIを営業活動で使うと「人間味」が失われませんか?

AIはあくまで裏方の支援役です。

営業の現場で求められるのは、人の感情を読み取り、信頼を築く力です。

AIはその信頼構築のために、情報整理や提案準備を助ける存在と考えるのが自然です。


顧客の要望や過去履歴をAIがまとめてくれれば、

担当者は相手との会話に集中できます。

結果として、AIを使うことでより人らしい営業ができる環境が整います。


Q3. AIを導入しても思ったほど成果が出ないのはなぜですか?

多くのケースで、データ整備と運用設計が追いついていないことが原因です。

AIは与えられた情報をもとに判断しますが、

入力データが少なかったりフォーマットが統一されていなかったりすると、

精度が安定しません。


導入初期は、まず過去の見積・受注・問い合わせデータを整理し、

AIが学びやすい環境を整えることが大切です。

短期間で完璧を目指すよりも、小さく始めて育てる運用が成果への近道です。



この記事の編集・監修

桑田 督大(くわだ まさひろ) / 太成二葉産業株式会社 広報販促室

特殊印刷マーケティング歴10年。印刷×マーケティングでクライアントの商品価値を高める提案を行っています。



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最後までお読みいただきありがとうございます。次回もよろしくお願いいたします。

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