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日本の印刷産業の進化!デジタル化とDXが変える未来

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日本の印刷産業の進化!デジタル化とDXが変える未来

こんにちは!太成二葉産業の広報販促室です。

日々の生活の中で目にする印刷物は、実は時代ごとに大きく変化してきました。

今回のコラムでは、戦後の復興期から現代までの「日本の印刷産業の進化」をわかりやすく解説します。

デジタル印刷の台頭やDXの広がり、そして特殊印刷による付加価値の高まりなど、業界が直面する変化と未来への展望をお届けします。

最後までお読みいただくことで、印刷の新たな可能性を感じていただけるはずです。




 





1. 戦後復興と印刷産業の成長

戦後の混乱期を越えた日本では、生活の再建と共に情報を届ける手段として印刷物が重要な役割を果たしました。

高度経済成長期には雑誌や書籍、広告などの印刷需要が急速に拡大し、産業全体が大きく変わっていきます。

印刷は単なる製造業から、流通やマーケティングにも関わる情報産業へと進化しました。

現在の印刷業界の基盤は、この時代の急成長によって形作られたといえます。



1-1. 印刷需要拡大と産業構造の変化


高度経済成長期には、新聞、雑誌、カタログなど多様な印刷物の需要が高まり、印刷工場は全国で増加しました。

大量生産と高速処理を可能にする機械化が進み、印刷工程は効率化されます。

同時に、出版社や広告代理店との連携が強まり、製造業だけでなく企画・編集を含む総合的な情報産業としての位置付けが確立されました。

この変化が、印刷業界の発展を後押しする大きな要因となりました。



1-2. オフセット印刷とグラビア印刷の普及


戦後の印刷業界ではオフセット印刷とグラビア印刷の普及が大きな転換点となりました。

オフセット印刷は高品質で大量印刷に向き、新聞や書籍の大量生産を可能にしました。

一方、グラビア印刷はパッケージやカタログなどカラー表現を必要とする分野で活用が進みます。

この二つの技術革新により、印刷物の品質と表現力が飛躍的に高まり、消費者への訴求力を大きく向上させました。



2. DTPとデジタル印刷の登場

パソコンと専用ソフトの普及により、印刷業界は大きな変革を迎えました。

DTP(デスクトップパブリッシング)の登場によって、従来は分業で行われていた制作工程が一元化され、効率と自由度が飛躍的に向上しました。

さらにデジタル印刷機の進化により、少部数印刷や短納期対応が可能になり、印刷ビジネスの幅は大きく広がります。

制作と印刷のデジタル化は、現在の印刷産業の基盤をつくる転換点となりました。



2-1. DTP技術が変えた制作環境


DTPの導入は印刷制作のワークフローを根本から変革しました。

パソコンと専用ソフトを用いることで、版下作成や写植といったアナログ工程が不要となり、デザインから入稿までを一貫して行えるようになりました。

データ共有も容易になり、制作者・クライアント・印刷工場間のやり取りがスムーズになります。

この変化により、デザインの自由度が高まり、印刷物の表現力は格段に向上しました。



2-2. オンデマンド印刷の台頭と進化


デジタル印刷機の性能向上はオンデマンド印刷市場の拡大を強く後押ししました。

必要なときに必要な部数だけ印刷できるため、在庫リスクを抑えつつ、短納期対応が実現します。

小ロット印刷やパーソナライズ印刷など、新たなニーズに応えるビジネスモデルも登場しました。

近年では高品質化が進み、オフセット印刷に近い仕上がりを実現する機種も増えており、印刷市場の多様化を支える重要な技術となっています。



3. ネット印刷サービスの普及

インターネットの浸透は、印刷業界にも大きな変化をもたらしました。

ネット印刷サービスの台頭によって、誰でもオンラインで手軽に印刷物を注文できる環境が整い、業界全体のビジネスモデルは大きく変革しました。

従来は企業やデザイン会社が中心だった発注者層が、個人や小規模事業者にも拡大し、印刷市場の裾野は広がっています。

オンライン受発注とデジタル印刷の融合が、印刷サービスの新たな価値を生み出しています。



3-1. オンライン受注が生んだ新市場


オンライン上での注文システムは、発注から入稿、決済までを一括で完結できるため、発注者の利便性が大きく向上しました。

小ロットや短納期ニーズに対応できる点も、多くの新規顧客を生むきっかけとなっています。

これにより、個人の名刺やチラシから、地域限定の販促物まで、柔軟な印刷対応が可能になりました。

ネット印刷の普及は、従来型の対面営業では得られなかった幅広い顧客層の獲得を実現しています。



3-2. 大量印刷から小ロット対応への転換


印刷市場では、大量印刷を前提とした従来型モデルから、小ロット印刷重視へとシフトが進んでいます。

ネット印刷サービスとデジタル印刷技術の進歩が、この変化を後押ししました。

必要な部数だけを効率よく印刷できるため、在庫削減やコスト最適化が可能となり、企業のマーケティング戦略にも柔軟性をもたらしています。

今後はさらに、データを活用したパーソナライズ印刷や即時出荷サービスの進化が期待されます。



4. 印刷業界のDXと新たな挑戦

印刷業界では、デジタル化の進展に伴いDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいます。

従来の印刷工程にデジタル技術を取り入れることで、受注から納品までのスピード向上や生産効率の最適化が可能になりました。

ネット印刷サービスやクラウド管理システムの導入が広がり、顧客とのコミュニケーションやデータ管理の高度化も進んでいます。

こうした取り組みは、業界全体の競争力を高めるための大きな転換点といえます。



4-1. クラウド活用と生産効率の最適化


クラウドシステムを活用した受注管理や在庫管理が、印刷業界の生産効率を大きく変えつつある状況です。

オンライン上で案件を一元管理できるため、入稿データの確認や進行状況の共有がスムーズになり、人的ミスの削減にもつながっています。

複数拠点でのデータ共有や工程管理も容易になり、少人数体制での運営でも高い生産性を維持することが可能です。

今後はさらに、顧客データを活用したパーソナライズ印刷や自動見積もりなどの高度化が進むと考えられます。



4-2. AIとIoTが変える印刷工程


AIやIoTの活用は、印刷現場のあり方を根本から変え始めています。

AIは印刷データの自動最適化や色校正の精度向上、需要予測などで導入が進み、作業の効率化と品質向上を同時に実現します。

IoTは印刷機や検査装置と連携し、リアルタイムで稼働状況を把握できるため、トラブルの早期発見やメンテナンス効率の改善に役立ちます。

これらの技術の発展により、印刷会社はより高付加価値なサービスを提供し、顧客満足度の向上を図ることができます。



5. 特殊印刷が生み出す新たな価値

印刷技術の進化によって、企業やブランドの価値を高める特殊印刷が注目されています。

箔押し、エンボス、香り印刷などの加工は、商品の魅力を際立たせるだけでなく、消費者の購買意欲を高める重要な役割を果たします。

さらに、ブランド体験を重視する市場では、触感や視覚に訴えるパッケージや販促物が求められており、印刷は単なる情報伝達の手段からマーケティング戦略の一部へと進化しています。



5-1. 高付加価値印刷とブランディング


企業のブランド価値を高めるためには、デザイン性に優れた特殊印刷が効果的です。

箔押しによる高級感、擬似エンボスで生まれる立体感、カレイドインキを使った広演色印刷など、多様な表現方法があります。

これらの加工を組み合わせることで、商品パッケージや販促物に独自の世界観を持たせ、ブランドイメージを強化することが可能です。

印刷は単なる制作工程ではなく、企業価値を高める戦略的なツールへと変化しています。



5-2. 環境配慮型印刷の広がり


近年、サステナブルな社会への関心が高まる中、環境配慮型印刷の需要が拡大しています。

FSC認証紙や水性インキの採用、リサイクル可能なパッケージ素材の活用など、環境負荷を抑える取り組みが進んでいます。

さらに、CO₂削減を意識した製造プロセスや、紙資源とフィルムを組み合わせたハイブリッド素材など、次世代の印刷ソリューションも登場しています。

環境への配慮は、企業ブランディングの一環としても重要視され、消費者からの信頼獲得につながります。



6. 印刷産業の未来展望

印刷業界は、デジタル化の進展とともに新しい価値の創造が求められています。

従来の大量印刷に加え、オンデマンドやパーソナライズ需要が増加し、印刷はより多様な役割を担うようになりました。

企業やブランドは、顧客体験を重視した販促戦略を実現するために、リアルな印刷物とデジタル技術の融合を進めています。

今後は、印刷を単なる製造業として捉えるのではなく、マーケティングと結びつけた総合的な価値創造が重要となります。



6-1. デジタルとリアルの共存


デジタルとリアルの融合は、印刷産業における大きなテーマです。

オンライン上の情報発信だけでは得られない“触感”や“視覚的インパクト”を提供できるのが印刷物の強みです。

一方で、ARやQRコードを活用したデジタル連携も進んでおり、リアルな印刷物を起点にWebやSNSへ誘導する施策が増えています。

これにより、印刷はマーケティング活動の中心的な存在となり、顧客体験を豊かにする役割を果たしています。



6-2. 市場ニーズに応える柔軟な戦略


多様化する顧客の嗜好に合わせた柔軟な印刷戦略が不可欠です。

大量印刷よりも、小ロット・高付加価値・短納期を重視する傾向が強まり、印刷会社はサービスモデルの転換を迫られています。

デジタル印刷や特殊印刷の活用、さらにサステナブル素材を組み込んだ製品展開が、今後の競争力を左右します。

市場ニーズを的確に捉えた企業は、印刷を通じてブランド価値を高め、新しいビジネスチャンスを生み出すことが可能です。



7. 進化を続ける印刷産業とこれからの展望

印刷産業は、戦後の復興期から大きく変化を遂げてきました。

オフセット印刷やグラビア印刷の普及によって大量生産が可能となり、やがてDTPやデジタル印刷の登場により、制作から出力までの効率が飛躍的に高まりました。

さらにネット印刷サービスの普及は、小ロットや短納期といった多様なニーズに応える新市場を生み出しました。

近年では、DXの推進により「クラウド活用」「AI」「IoT」といった新しいテクノロジーが印刷工程に導入され、生産性と品質の両立が進んでいます。

加えて、環境配慮型の印刷や高付加価値を提供する特殊印刷が注目を集め、印刷は単なる情報伝達手段からブランド価値を高めるツールへと進化しています。

これからの印刷業界には、デジタルとリアルを組み合わせた顧客体験の創出や、市場ニーズに応える柔軟な戦略が求められます。

印刷は、変化を恐れず新しい技術と融合することで、より多様で豊かな価値を生み出す産業であり続けるでしょう。



8. よくある質問と回答

Q1. なぜ日本の印刷業界はデジタルシフトが不可欠と言われているの?

A1. 徐々に電子書籍やデジタル広告の普及に伴い、紙の印刷物への需要は減少傾向です。

少ロット・短納期・コスト削減を実現できるデジタル印刷やDX推進によって、業界の生き残りと効率化が急務となっています。


Q2. 印刷業界における今後の成長ポイントはどこにある?

A2. 環境への配慮が重視される現代では、サステナブル素材を使った印刷や、不要な廃棄を防ぐオンデマンド印刷が有望です。

また、AIやIoTによる工程管理やクラウド連携も、業務効率と品質向上につながる注目領域です。


Q3. 日本の印刷業界は今どんな課題に直面しているの?

A3. 少子高齢化による人材不足、印刷物市場の縮小、価格競争の激化など、多くの構造的課題を抱えています。

一方、印刷業界全体の動向や課題をまとめた『印刷白書2024』では、SDGsや事業承継、DXなどを通じた未来への対応が求められていることが指摘されています。



最後までお読みいただきありがとうございます。次回もよろしくお願いいたします。

この記事の編集・監修

桑田 督大(くわだ まさひろ) / 太成二葉産業株式会社 広報販促室

特殊印刷マーケティング歴10年。印刷×マーケティングでクライアントの商品価値を高める提案を行っています。



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